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物語を繋ぐこと [舞台]

大阪上陸、「兎、波を走る。」観劇。
初めての新歌舞伎座。
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ぎゅうぎゅうにいろんな物が詰め込まれた一遍。
あの詰め込み具合、「君の名は。」を思い出させた。
アニメで出来るんなら、生身でやったろーじゃんよ!、な気概に満ち溢れてた。

思いの外、花火大会客にダイヤが乱れ、超ギリギリで駅に到着して、
焦りで初めての場所の地図が読めなくなり、諦めそうになった時に
いや、マジで可愛らしい「兎」たちがぴょんぴょん「遅刻しちゃう!」
と眼の前を過って、コレついてったら間に合うと直感、お陰で最短ルートで開演直前ギリギリに
座席まで誘導していただいて滑り込んだ。
感謝。

点と点が、
繋がって、
忘れ掛けてた物語を
思い出させるカラクリ箱。
シェイプ・オブ・マイ・ダイヤの扉だな。
ピーターパン。
ウエンディではない、アリス。
誰の話をしてる?
ねえ、きっとそう。
それが大きな声で言いたかった?
とても似たその色…
もう、そうするしかない…確かに。

その事件が報道されるよりずっとずっと前に、遠い昔の私が子供の頃何故か人拐いは袋詰めにする、という認識があった。
そうするものなんだと頭から思ってたから、コトリとの対決中、
こいつは絶対に防がなきゃと思ったんだった。
私は引っ掛からないよ?親友も大丈夫だけど、
うちの弟たちや他の子はこれ、絶対信じて袋に容れられてサヨナラ!
コレ絶対弟ヤバイ(実際の弟①は入院するし、幼児の弟②は親と常に行動を共にするから安全圏だったが)!
だって弟が入院するから行かない、という本当の理由を弟と同じクラスではない子達は、
「ドラマチックな嘘の理由!」ってワクワクにやにやしたのよね。その顔を見たコトリは「嘘だ」と判じて私を落とせると踏んだ。
高学年の私が行くと言えば、「じゃあ私も」って本当は行きたがってる子達が釣れるのをヤツは見越して来た。
ヤツの狙いは他の可愛らしい子達だったから当然私を見ていなかった。
結果、私が真実を口にしているという事実を無視して怒らせ通報されて、まんまと失敗した。
通報の翌日、直ぐ私と親友は授業を抜けて担任達からヒアリングされ、そっちの方が超ビビった。
何で先生知ってんの?昨日の今日で、呼び出し喰らうなんて!
(実は我々が知らぬ数年前に沢山の子供達が被害にあった事件の再犯だったから、大人達はすぐ行動を起こせたのだったらしい。警官は犯人の使った偽名を何度も私達に確認していた。当った舞台を再演するように、服役して社会復帰に失敗した者は同じ偽名で再犯する習性ゆえの発覚。)
帰宅後台所に立つ母から「そういえば、あの変な人のこと、警察に言うたんアンタ?」と振り返らずに話しかけられ、
「あ…うーん、涼子ちゃんと行ったー」
「そう」
だけで終わって、え?マズかったの?正解だったの?とちょっと悩んだ。
そのいかがわしい事件の顛末を、親達が子供らに明かす事はなかったのだけれど、
恐らくコトリが逮捕された頃、母が突然「天体望遠鏡が欲しいんやろ?買うから。いいな?」と、本格的な天体望遠鏡を買ってきた。
それは、コトリにしか話していない「強いてゆうなら程度の欲しい物」だったから、あれっ、何で母が知っているんだろうと思った。

言わないつもりだったけれど、実は出演者に私が遭遇したトリコそっくりの人が居て、どうしてもその人を見るとオートマチックに切なくなってしまう。
全く別人のその人が、長じて立派な俳優になって再会を果たさせてくれたみたいに。
もう戻らないかも知れない、もうそうするしかない全くかけ離れた違う所に居たとしても、アリスのあの声に切なくなってしまうように。

お節介で、うじと地獄に終わる馬鹿なことかも知れないけれど、
やっぱり活路を拓くのは、そっち系の馬鹿なお節介なんだと思う。
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