の、大芝居

…Life is Beautiful.


例年より早く１月末に開花して、まだ散らない。

車を飛ばして辿り着き、じっくりと語り合い、知らされてなかった色々なことが更に分かった一日だった。

「また入院よぅ」といつも通り、張りのある変わらぬ声だったから、全然気付かなかった。

「お別れホスピタル」で見たまんまの、クリスマスパーティーでVサイン。
そんなに短期間で痩せてしまってたなんて、元気な頃の写真をラインしてくれてたから、全然気付かなかった。

急速に症状が進んで、電話に応答しなくなっていたというのに、私からの電話には直ぐ出て、いつも通り明晰でカクシャクとしていたなんて。

嘘つき。
叔父には最後まで「治る」と嘘を吐き通したから、今度は私に吐き通したな。
怖がり泣き虫のくせに、見栄っ張りで意地っ張り。
最後まで尊敬されるおばちゃんで居たかったのかも知れないけれど、こっちは自信喪失ですよ、もう。
あなたにとって私は永遠の半人前。

でもきっとそれらは、自分で信じたくて、信じて欲しかった願いそのもの。
が零れ落ちてしまったのだ。
命が尽きても、それぞれの記憶の中の通りの自分で生き続けたかったのでしょう。

故郷に顕現したという生身の十一面観世音菩薩は、ああいう人だったのかも知れない。

奇跡だからこそ、嘘の力を借りてでも、格好良いまま去ることを望んだのですね？




違う。
嘘をついたのではなくて、普通に言えなかっただけ。
「私、余命1ヶ月よ。」なんて、誰が言えるか。
告知を受けてもきっと最後まで「本当に？」って思ってたと思う。
私が気付けなかっただけだ。
役立たず。