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世界は変わったか [舞台]

こんな寒い年は休み明けの勤務日数が少ないとありがたい。
今年みたいに3日、4日と徐々に増やして慣れさして〜。
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休みの間じっくりアルトゥロ・ウイのパンフレットを読んで、
回想を楽しんでみたりしてました。

「世界は変わったのか?」
[揺れるハート]「変わらないまま、変わった」が私の答え。

ビフォーア・コロナの初演では恐らく、この舞台で熱狂する事はタブー以外の何ものでもなくて、ナチスに乗せられてんじやねーよ!て冷水浴びせられて終わってたところでしょう。
けど、第二次世界大戦中にドイツの国外ですら、このナチス批判の舞台は上演されなかった。

結局亡命先でもファシズムの影響は避けられなかった=支配が及んでたということだ。

そして21世紀の今、この時期にこの舞台は掛ける事が叶っている。
世界は確かに変わった。
掛ける事でブレヒトが本来描いた意味を変容させるほどに。

今世界はコロナ軍の進攻を受け、独裁されている。
21世紀は未知の生命体?に侵略戦争仕掛けられてるやん、人類!ってゆう(苦)
その戦時下で支配者を批判する舞台を掛けるということ、
その舞台に熱くなり、賛同して拳を揚げるということは?
その場に居る全員が共犯で、支配者を敵に回す反逆者、レジスタンス化するってことだ。

なんで私は遠慮なく拳を揚げましたよ。声は控えて。[揺れるハート]
それは終幕に映し出されたものにも怯まなかった。
そう、100年近く経っても人はそんなに変われてはいない。
その逆転に辿り着いた者がどれだけ居たか、は個人の自由なので好きに解釈して良いはず。
ここまでされたらドイツ国民はしぶしぶでも妄信でも、
ナチスについてくしかなかったろうなあ。
恐らく当時は現代以上に困窮してて、すぐ簡単に殺されたりもした。
そんな希望のない状態があんなにも長く続き過ぎたらそりゃー
「やってらんねーよ!!」って
キレもするし、正常な判断力も擦り切れてしまうだろう。
賢者であっても貧乏なら亡命も出来ない。
馬鹿なことと分かっていても、やらずには居られない者も居たはずだ。
家族や友人、大切な人を守るために破れかぶれで。
今でもあっさり炎上とか気安く批判とか、ガツンとやられないと
気付かない・気付いてても止まれない人だらけ、変わらないままだ。

小さい頃第二次世界大戦について習った時は、ドイツ国民って馬鹿?位にしか
思えなかったけど。
それは平和な時代にぬくぬく育った者の傲慢だったなと、
独裁下が長引いてやっと自覚した。
歴史の教科書はこれから、複雑な当時の社会背景や心情をも加味して
書き換えられて行くに違いない。

「イカれておるのう」と心だけで踊らされながら、アルトゥロ・ウイに
泣きながら手を振った、あの日の自分に悔いなし。
↑この「イカれておるのう」は確か直虎での龍雲丸のセリフ。
柳楽くんだからこそ出せる愛情と滋味があふれててお気に入りなのだ。

ブレヒトの意志を継いでの上演は、その先を目指す冒険の一歩と
解釈している私は、この先の全ての観客に
「安心して乗っかって踊ってええでー!」
と謹んてお伝えいたす。

追記:京都公演に吉沢亮君が観に来てたというエンタメ記事を見つけたので「もしかして居たんかも〜[揺れるハート]草なぎ君すっごい熱演やったしー」と話したら「そりゃ…渋沢が見てたら慶喜頑張るわ」の"渋沢"がカンペキに"慶喜"でウケた。
追記2:ガサガサに潰れた声や立ち上がれなくなるまでその日その瞬間に全力投球して発光する草なぎ君はやっぱし昔の佐々木さんに似てた。
数カ月後ブラタモリのナレーションがきっとガッサガサ!になる(笑)と書いたら今日そうなってた。
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