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アン トールド ストーリー

BGMの利いてる出演作が観たくなって、シャーロックを流している。
DEENさん演じるCCOの演奏も主題歌もお気に入り[ハート]

「人は危機に瀕したとき、無意識に一番大事なものを見る。知ってたか?」

おおっ、シシオ!
この場面では見つけられたら困る兇器を指して語られるけど、
世界が変わった今は、救済の言葉として響く。

これは恥ずかしい妄想に過ぎない、吉報が出る迄のアントールドストーリー。

※まさしく実在の人物、団体とは一切関係ないフィクションです(笑)。

8月の末、話題の世界的俳優SSKがコロナ感染して、千秋楽公演が中止となった。
このコロナ渦にも関わらずチケットは完売、最高のフィナーレとなるはずのその日に、
それまで全力で感染を逃れて辿り着いたというのに、
急転直下、舞台に穴など空けたことのない彼が隔離療養という籠の鳥生活へと追いやられた。
命に関わる事態である。
幸い彼は無症状のまま解放の日を迎えた。

私も乏しいコロナの知識から、無症状での解放を予測出来た。
だが、舞台への情熱が誰よりも熱く、責任感の強い彼は
症状が軽ければ軽い程、自責の念に苦しむのではないか。
他の出演予定だった公演まで、巻き添えで延期に追い込んでしまった。
いっそコロナで死にたい!と思い詰めていたらどうしよう。

コロナでは死ねなかった。

SSKの演じた悲劇のアスリート円谷が頭を過ぎった。(なるほど、だからこの公演は東京のみだったのか。結婚してくれなきゃオレ死んじゃうヨ!って伝えたい人が東京に居るから。どーりでここ最近ずっと結婚を飛ばして父親役ばかりして来た人が、恋をして結婚する役に変わった。作品選びにまでお相手への想いが溢れてたとゆうことだ。そして秀吉役が決まった時に、これはついに、と感じてはいた。コロナですっかり頭から飛んでいたけれど。)
自傷するマクベス、こめかみに拳銃を押し当てるリチャード、投身するマックスが。
これは解放の後の方が危ない。打ちひしがれて一人暮らしの家に
戻るなんて…一人にしておく以上の危険はないのでは。
所詮無面識のイチファンの戯言でしかないのが判っていても、住いも何も
分からなくても一人にしたくない。
どうすれば?分からない。
(いやいやいや、行ったらストーカー騒ぎになるって!)
コロナ渦に逝ってしまった沢山の俳優たちが浮かんだ。
怖かった。
ほんの少し前までこの国で自死は公認の選択肢だった。
生と同等に最後の希望だった。
いずれにせよ彼らを死に向かわせたものが真実であろうと妄想であろうと、
感じた痛みだけは本物だからタチが悪い。

「おかえりなさい!大変だったね。無事で本当に良かった」
赤の他人の心配など全く余計なお世話で、彼には彼の帰りを待つ人が居てくれた。
居てくれた!

でもやっぱりSSKは間違いなくボロボロで(中日に観劇したSSKの演技は凄まじかった。死を決意した人そのものだった)、
その「おかえり」の有り難さ、愛おしさたるや、
何物にも換え難い運命の伴侶を演技ではなく、見つめ続け、無意識に涙を流したことだろう。

彼が役者の道を選んだあの時のように、訳が分からなくなるほど。
この先これを超える激変など有り得ないし必要ない。(いや、来年父親になったら激変だ。でも結婚ラッシュに加わった沢山の役者仲間が一斉にベビーラッシュを起こしてくれたら、心強いし楽しいぞ。昔結婚する友達から言われた。あなたも結婚して同時に出産して!子供を同級生にしよう、と。当時は驚いたが、とある過疎に近い山奥の村人が仲間内に子供に友達を作ってやらねばと、声がけして同い年になるよう計画妊娠し、親子ぐるみで助け合いながら成長すると話してくれてから、悪くないシステムだと評価している。)

でなければ、世界的俳優と称されても自信の薄いSSKが
このコロナ渦打撃受けまくりのエンタメ界に在籍し、
仕事は自粛・中止・中断、その上自身の感染で穴を空けた直後に
「お嬢さんをください」なんて、言えたはずがない。
ずっと前にその儀式は済んでいたとしても、以前の彼なら
「延期させてください」と切り出しかねなかった。
(既にコロナで1年延期にしたしな。本当は2020年がオリンピック開催と大河で秀吉を務めた完璧な成就の年となるはずだったのに。あれは秀吉になりたかった男なのだから。妻もファンという側室も手放したくない、誰もがそうであるように。)

やっと待ち侘びた奇跡が起きたのだ。
その日が来た!
彼のもたらした吉報は自信喪失するエンタメ界はもちろん、
傷めつけられた日本を活気付け、経済効果も押し上げたに違いない。
怖いくらいの報道が駆け巡った。(これは見ていて本当に怖かった。好意的な報道でも同じ。一般人のお相手は相当怖い思いをされてるに違いないと震え上がった。今は素性が全く晒されていなくても、いつ晒されてもおかしくない状況が、この先も続く。その不安がなかったはずはないのだから。妻にも、そこに巻き込むSSKにも。それを乗り越えて一緒になるという覚悟を双方が持てたのは、互いに"その人でなければならなかった"からに他ならない。私の如き無関係な外野は遙か遠く、姿形の見えないところで、静かに触れずにお二人を祝福するに限る。そーいや、してたんだっけ?結婚、くらいあっさりと。「命を晒しています」という台詞は、一番大事な人を晒されて傷付けられる危険の渦中であることの暗示で。それは相葉君自身のものでもあった。)

余計な心配MAXだった分、こっちまでノーガードで反動を食らって、
願いは叶ったというのに、自分は喜んでいるのか悲しんでいるのか怒っているのか
訳が分からない。

追記:SSKはそういう男だということだけは私が保証する。
今世間を駆け巡っているアレな記事しか書かせて貰えない
下っ端よりは全然SSKという役者の人柄を知った上で書いている。
20年以上彼を観てきたのだから、そこいらの輩とは年季が違うのだ。

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