薮原検校 [舞台]
1年ぶりに劇場に足を運びました。
昨年コロナ禍の影響で最初に中止を告げられた「新版オグリ」。
そっか、あそこに居たほぼ全員が私と同じく休演の浮き目に遭ったメンツやってんな。
物語そのものはお芝居と言えども非常にグロテスクで
本来見たくない嫌な内容だったのですが、
面白いと認めざるを得ない作品でした。
私はもっと年いったら問答無用でチケット取らんと思う。
どんなに好きな役者が演じたとしても。
けど巧かったー面白かった。
三宅健くんに知性派のイメージはなかったのだが(失礼)、
「江戸見物」が天才保己市の知能を裏付けてた。
さすがV6、セリフが聞き取りやすくて見やすい。
保己市、まさしく杉の市を生贄に差し出して保身を図り、
身障者は知性でこそ救われるという持論の証明をし、
かつ自分を出し抜く杉の市への復讐も果たした。
えっげつなかったから、杉の市を抹殺したとて、
終生彼自身が好かれる事はなかったろうなあ。
追記:ん、そうか!だから末期のソバ?で杉の市へのメッセージも兼ねてたんかも。
賢い自分が同じ盲人の杉の市におかずの里芋を横取りされたという食い物の怨み。
そんな本編の後の鳴り止まない拍手とそれに最後まで応えた出演陣の
共感度が、かつて観たことのない熱さで。
すごかったです。
コロナ対策で客席飛び飛びに空けられて半分以下?だったと思うのだけれど、
満席かと思うほどの一体感と大音響。
なんかそこに、あー皆さん自粛で我慢して我慢してやっと!って気持ちが
炸裂したはるよね?私もやで!て胸が熱くなりました。
グロテスクな演目やったのに(笑)
いんや、もしも2週間後コロナ発症したらここにいる全員が杉の市のように
弾劾されて命を落す可能性はゼロではないのだ。
あそこに居た全員が、確かに、命を賭けて歌舞伎てました。
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