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ロンドン版「ショーシャンクの空に」感想 [舞台]

素敵な舞台を創って魅せて下さった皆様に御礼申し上げ奉ります。

演じる側にも観る側にもキツイ場面を織り込む表現者たちの勇気がすごかった。
その影が暗いほど、いい場面をより明るく際立たせ泣けました。

俺も戦う方を選ぶ。

うう、アンクトミー![もうやだ~(悲しい顔)]

谷田歩さんのボグスがよかったです。
お正月に見た映画のショーシャンクのボグスは辛すぎて。
同じボグスでも、映画の方は「やられないためにやる側に回った」感が強過ぎた。
だから「シスターズ」...
されて嫌だったことを自分もしなければ生きて行けない悲壮な歪みが映ってた。
それ、ホンマはしたくないやろ?そんなことしてたら、自分に嫌われて見捨てられてしまう。
もちろん谷田さんのボグスも同じなんだけれど、悪気なく知らずにやっちゃってる
明るさみたいなものがあった(有川さんのツイート効果でそう感じたんかもやけど)。
あえてそうされたのかなと。「家族狩り」ではもっと陰湿で悲しかったもの。
君の周りの大人たちは不器用過ぎて、そんな抗い方しか君に教え切れなかったのかと。

有川さんキュートでした[黒ハート]
刑務所内での明るいやり取り見てたら、セリフにもありましたが男子校の寮生活に見えてきてしょうがなかったです。
バンド組んだり模型作ってたり笑顔で集合写真(笑)。

なあ、”光あれ”の光ってなんだと思う?

そりゃあ、パンドラの箱に最後に残ってたアレでしょう。
アンディを支え続けた希望。
その光は、ショーシャンクの外から人知れずアンディを照らし続けてたんやね。
その希望だけを使って横領せんかったロンドン版はジェントルですごく素敵♪
映画版に心酔して見返してる人は、映画の記憶が強過ぎて見落としてしまうと思う。
私は観劇直前に1回見ただけやったから、そのトラップに掛からずに済んだ。
だから彼は、トミーの受難で脱獄を決意して、レッドを相棒に選んだんだ。
語られなかったけど、アンディはものすごく後悔したと思う。
もっと早く脱獄すれば少なくともトミーは死なずに済んだかも。2年以上前にそうしていたなら。

原作と映画のアンディは全部独りでやってのけた謎の怪物のような存在でしたけど、
この舞台で人間になった。さすが、英国ならではの改訂版、素晴らしい!
音の使い方も舞台構成も極上で、ほんま、ええもん魅してもらいました。

記憶を持たない場所は、新しい記憶だけを重ねて行く場所。
そこには、いい記憶を重ねたい。いい記憶が良ければ良いほど元気が湧いてきて、
過去の記憶までもが「この過ちがあったればこそ」といういい記憶に遡って上書きされてくらしいから。
すごいよねえ。
そういう、人間の健気でええかげんな強かさが私は好きです。

けどその逆転上書き現象は、辛い年月と同じ長さの幸せな年月を重ねな終わらん仕組みらしいのよレッド...
アンタいくつや?何年収監されてたっけ?
ふたりとも長生きせんと、時間が足りんくなるでー。

白井さん演出の光はレッドの人生に出発の刻を告げる昇ったばかりの朝日であり、それはまた、
誰もが見つけられるものではない、狭き門であるという厳しい現実も表現してたように思う。
それにはつくづく、私って甘ちゃんやなと痛感させられた。
私ずっと大人になったら誰もが見つけられるもんやとばかり思ってた。

しかし兄さん、あんな芝居を國村さんにぶつけるなんて大胆不敵。
國村さん本気でテレてはったやん!強引なヤツだなあ![あせあせ(飛び散る汗)]

https://www.youtube.com/watch?v=1IMuHM7ReMk
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