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犬のおもひで

さんちゃんの犬のお話にじーん。
犬を嫌いにならなかったさんちゃんと、犬を嫌いにさせなかった大人たちが素敵。

そして、私の子守犬にも感謝。

実はポニーが姿を消す何年か前に、ポニーが猛犬であることを証明し、
私が犬を恐れてもおかしくない珍事はあったのです。
私がいらん事をしたせいで。

幼なじみのごんたくれが「ポニーに吠えられて追い回される」というので
「仲良くしてね」とポニーに引き合わせたのだ。
その場に母も同席してて、私の肩に手を置いて事態を見守っていた。
ポニーは面白くなさそうに、けどお願い通り無言でじっとしてくれていた。
「ほら、大人しいやろ?」
すると、このごんたくれは喜びの余り、調子に乗ってしまったのだ...。

「ほんまや!すごいすごい!ホレ、吠えてみろ!うっひょー[るんるん]スゲー!」
あほや。
ポニーはじっと私から目を逸らさずに震えながら屈辱に耐えていた。
ひどい。なんなん?!と私は「仲良くしてねって言うたのに、やめて!」と制止したが、
聞いてくれない。
「ほーれ、噛んでみろ?噛んでみろ~」とポニーの鼻先に顔を近づけて嘲りの言葉を浴びせる。
ポニーはそれでも目を細めて、私を見つめたまま耐えている。
私が子供やから、止めても聞いてくれへんのや!と察した私は「お母さん止めて!」と母を見た。
すると、ぽかんとした顔で母が「あ」と言った。
次の瞬間、ごんたくれの悲鳴が上がった。
え?

向き直ると、ポニーは変わらぬ位置で私を見つめていた。
けど、ごんたくれは地面にはいつくばって大泣きしてた。
...何が起きたーん?![あせあせ(飛び散る汗)]
母は「ポニーが嚙んだ」と言う。
ごんたくれの顔を見ると、口の周りに点々と血が滲んでいた。
母が言うには、私が目を離した一瞬で、ポニーがごんたくれのへらず口を一嚙みして「オレ何もしてないで」という風情で元の位置に戻ったというのである。
コントかいな。

確かにごんたくれは這いつくばって泣いてる。けど、私見てへん。あんな一瞬で
犬にそんなこと出来るん?と母の証言があっても、本当のところ私はいまだに信じてない。
もしそれがホンマやとしても...あれ、ごんたくれが悪いやんなあ?
あれは嚙まれて当然やんなあ?

やさしいライオン (フレーベルのえほん 2)

そしてこの本を読んでいたので、とてもポニーが心配になった。
もしも母の言う通りポニーが犯人なら、ポニーはどうなってまうの?

本当に母が同席してて良かった。
母は自分の飼い犬のしでかしたことではないので、全力で弁護できた。
そして、ごんたくれのお母さんは「ああ、それはウチの子が悪い!バチが当たった。ええ薬になったやろ」と一笑に伏し、飼い主さんも「ポニーは賢いからごんたくれに非があったんやろ!あの悪ガキが!」と笑い飛ばし、ポニーにはおとがめなしで珍事は落着したという。
「みんなポニーの方が正しいって言うたはったし。処分されたりせえへんしな」

田舎ならではのしっかりしたコミュニティの結実、現代では考えられない大岡裁きである。
ごんたくれは二度とポニーに無礼を働かなかったし、後に自分ちで犬を飼い始めたから、
ホンマにええ薬やったんやと思う。
犬の方が人より信用されていた古き善き時代のおばちゃんたちは、ほんまにカッコ良かった。

追記:ポニーは悪くない!という思いは、プルプルの影響もあるけど、
「妖怪人間ベム」見てたからやな。ええことしても追い払われるってヒドイ!
恩を忘れたらアカンって思いながら見てましたねえ。
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